Y's note

Web技術・プロダクトマネジメント・そして経営について

本ブログの更新を停止しており、今後は下記Noteに記載していきます。
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ユニットエコノミクスの定義

ユニットエコノミクスとは

@yutakikuchi_です。

Startupが事業やプロダクトの拡大前に一人もしくは一社獲得した場合に利益を出すことが可能かどうかを表す指標がユニットエコノミクスである。ユニットエコノミクスが利益を出している状態であり、Startupが戦略として事業とプロダクトを拡大するのであれば利益額もスケールアップする。しかし、仮にユニットエコノミクスが基準ラインを達成されていなく、拡大を試みると赤字額を膨らませてしまう。ユニットエコノミクスが健全で無い状態は提供価値の価格とコストが見合っていない証拠。よってこの場合は事業の収益構造を見直す必要がある。

ユニットエコノミクスの計算は次の変数が利用される

  • ①顧客生涯価値(LTV)
  • ②顧客一人、または一社獲得するためのコスト(CPAまたはCACと呼ばれる)
    • CPA : Cost Per Acquisition
    • CAC : Customer Acquisition Cost

ユニットエコノミクスの計算式は下記で示される。(ただし、LTVなどは展開したい事業によって意味合いが異なる場合がある)

  • Unit \hspace{1mm} Economics = \frac{LTV}{CPA(CAC)} : 顧客生涯価値を顧客獲得コストで割ったもの
  • LTV = \frac{MRR}{Customer \hspace{1mm} Churn \hspace{1mm} Rate} : 月額のリカーリング売上を月ごとのChurn Rateで割ったもの
  • CPA = \frac{Marketing \hspace{1mm} Cost}{Acquired \hspace{1mm} Customers} : 総合的なマーケティングコストを獲得した顧客数で割ったもの

LTV < CPA(CAC)となってしまうと、ユニットエコノミクスは1より小さい値となってしまい、この場合は拡大をしない判断をする。一般的にはユニットエコのミスクの値となるLTV/CPA(CAC)が3以上を出している場合が望ましいとされる。 3に達していない場合はChurn Rateを如何にさげるためのプロダクト改善やSuccessチームの体制構築、もしくはマーケ費用を投下した顧客獲得効率を上げる(CPC,CACを下げる)活動を必要とされる。

また、ユニットエコノミクスだけではなく、拡大時に顧客獲得に払ったSales & Marketing費用の回収期間(PayBack Period)も見定めなければならない。回収期間は短ければ短いほどよいが、一般的には6〜12ヶ月であれば望ましい状態とされている。 CPA(CAC)が小さく、MRRが大きくなれば回収期間の値も短くなる。

  • Payback \hspace{1mm} Period = \frac{CPA(CAC)}{MRR)} : 顧客獲得に払ったSales & Marketing費用の回収期間