The Data Management Platform: Foundation for Right-Time Customer Engagement [DMPに関する欧米の調査内容(2012.12)]
The Data Management Platform: Foundation for Right-Time Customer Engagement
調査資料
http://www.iab.net/media/file/Winterberry_Group_White_Paper-Data_Management_Platforms-November_2012.pdf
2012年12月にIABから出されたDMPに関する実態調査的な資料を見つけたので目を通してみた。※尚下記で引用される英文説明や図は全て上のリンクからの出典となる。DMPの概要
出典元の表現としては以下のように書かれている。
- the data management platform (DMP), an emerging technology solution that supports “Big Data” implementation for advertisers, marketers, publishers and others looking to aggregate, integrate, manage and deploy disparate sources of data.
data management platform(DMP)は分断されたデータソースを集約/結合/管理/配布したい広告主、マーケータ、パブリッシャー、その他...の人たちのための"Big Data"の実装をサポートするテクノロジーソリューションとして用いられる。DMPとしては上図にあるように
- AGGREGATE(DATA SOURCES)、INTEGRATE AND MANAGE(DMP APPLICATIONS)、DEPLOY(USE CASES)
の3パートに分かれており、データの収集、解析、利用という流れがある。AGGREGATEのフェーズにおいてデータソースとして中核となるのはFirst-Party(クライアントだけが持つデータ)、Thrid-Party(データ公開をしている外部クライアントが持つデータ)としてのデジタル化された行動履歴のデータであり、その他よく使われるものとしてはOfflineのデータ、商品の購買データ、新しいデータソースなどがある。収集したデータソースに対してデータの記録と保管/バラバラのフォーマットにならないようデータの正規化/必要なデータを選択、セグメント化/分析した結果を見て意思を決定する。その先に、デジタルデータの独立したフィードを集約or管理し、インターネットユーザーのより深い興味解析やOnline広告のターゲティングを強化し、mediaのセールス拡大のために行動するであろうインターネットユーザーのセグメントをリッチ化する。更にインターネットユーザーのデジタル体験を最適化するためにデジタルとデジタル以外のデータを集約してあらゆるチャネルをとおしてユーザーとコミュニケーションをする。
DMPはどんな活用に期待されているのか
ビジネス的には期待されている内容としては上図の通りで
- Improve Ad Targeting Effectiveness、Embrance Shift to Media Audience Buying、Aggregate Connected Customer Insights、Automate Digital Media Buying、Optimize Media Buying Efficiencies、Realize Potential of Cross-Channel Marketing... Connect Traditional and Digital Data in a Compliant Way
広告ターゲティング精度改善、メディアのAudienceDataの購入、接続された顧客の興味の集約、デジタルメディアの自動購入、メディアの効率な買い方の最適化、(CrossChannelMarketingの実現、デジタルと非デジタルデータの結合などがある。 一つの媒体に接触するAudienceの行動履歴は断片でしか無いので横断したCrossChanelMarketingの重要性、更にはAudienceの消費行動はリアルな世界がまだ中心なのでオンラインデータとオフラインデータの結合(020)への期待が伺える。
- ADVERTISING、MARKETING、MEDIA SALES、COMMERCE
実際のところビジネスの領域としては広告、マーケティング、媒体収益、流通の4つで主に利用されている。DMPを活用すると手動でデータを管理するのと何が異なるのか?という内容に対しては
- INTEGRATION、SCALE、SPEED、FLEXIBILITY、INSIGHT、ASSURANCE
結合、スケール、スピード、柔軟性、知見、保証とシステムとしてはやや当たり前の内容が書かれている。更にコアコンピタンスとしては以下の通り。
- Integration of First-and-ThirdParty Data、 Segmentation、 Digital Data Aggregation、 Audience Analytics、 Digital Data Warehousing、 Data Transfer/ Export to Channels、 Modeling、Integration of Digital and Traditional Data
First,ThirdPartyのデータを結合、 セグメント化、 デジタルデータの集約、 オーディエンスの分析、 デジタルデータの保管、 データ変換やチャネルへの出力、 モデリング、デジタルと非デジタルのデータの結合。
DMPって簡単に言うと
以下の4つの項目として挙げられている。
- A CENTRAL HUB FOR DATA COLLECTION, INTEGRATION AND MANAGEMENT:
- A HYBRID OF PLATFORM TECHNOLOGY AND MANAGED-SERVICE SOLUTIONS—PROVIDING A RICH VIEW OF A GIVEN CUSTOMER AUDIENCE:
- AN APPROACH TO “ACTIVATING” DATA RESOURCES THAT MIGHT OTHERWISE BE UNDERUTILIZED:
- A TOOL FOR ENABLING RICHER ONLINE VISITOR EXPERIENCES—AND MORE TARGETABLE CUSTOMER SEGMENTS:
データ収集の中央ハブであり、結合と管理を行う。技術と管理されたサービスソリューションのハイブリッドプラットフォームである。オーディエンスの豊富なViewを提供。十分に活用されていないかもしれないデータリソースを活用するアプローチである。オンラインの訪問者の体験をより豊富にすることを可能にしたツールであり、顧客セグメントをよりターゲティング可能にする。
DMP構築の障害
- Internal Process & Marketing Ops Challenges、No Clear Internal Owner for DMP Solution、No Clarity Into Role of DMPs in the C-Suite、Lack of Established Performance Metrics、Lack of Clear Business Case/ROI Expectations、Privacy, Security & Data Governance Concerns、Cost Concerns、Lack of Addressable Data to Fuel DMP Use、Prefer to Wait for NextGeneration Technology
内部的な承認プロセスとマーケティング運用の意欲の問題、DMPソリューションの内部的な責任者が不明確、経営者の中にDMPの役割を担う人がいない、効果指標が不明確、ビジネスケースと費用対効果の欠如、プライバシーやセキュリティとデータの契約について心配、コストが心配、十分にDMPを活用するだけの割当可能なデータの欠如、次世代技術を待つことを好む。
所感
3年前の資料を振り返ったことになるが、現在もDMPの役割としての変化はほとんど無い。ただしPrivateDMPで始まった業界もPublicDMPとなるPlayerが登場してビジネスをスケールさせると同時にデータの集め方としてアンケートモニター会社との連携、使い方としてはLPOやCRMなどの領域にも力を発揮し始めている。テクノロジー的にはDMPに蓄積されたKEY(ID)の統合によるデバイスをまたいだ人物の特定、オーディエンスの興味関心解析、リアルタイム位置情報の分析とその先のレコメンド等の分野に期待があり、それらの技術を使って付加価値の有るデータを作り出せる事がPlayerとしての差別化で重要と認識している。