Y's note

Web技術・プロダクトマネジメント・そして経営について

本ブログの更新を停止しており、今後は下記Noteに記載していきます。
https://note.com/yutakikuchi/

ソリューション型とプロダクト型

[asin:B00TCM8TB4:detail]

経営者が考えるビジネスのロジック

@yutakikuchi_です。会社の経営は一言で言ってしまえばビジネス(営利・非営利の事業)を作ることであり、そのために人・モノ・金を動かす権限を持つ。ビジネスには様々なモデルが存在し、どのようなエコシステムを目指すかはその会社の経営者が自身で判断しなければならない。最近良く話す内容としては会社経営も成功ロジックを書くことであり、システムエンジニアが処理手続きを書く事と非常に似ている。成功までの最短となるプロセスをロジックを積んだ言語によって書き起こしているだけである。

ソリューション型

成功ロジックの中身をどう書くか。経営でよく上がる話として、ソリューション型、プロダクト型のどちらのビジネスを目指すべきかという点。または両社を目指す場合のコミット度合いの配分をどのように線を引くか。ソリューションは"顧客の課題を解決すること"であり、コンサル、SIなどはここでは含まれる。顧客のビジネスの深い業務知識を保有し、そこに対して他の誰も届けることが出来ない課題解決のコミットメントが継続できるのであれば、顧客の成功体験サポートをし満足度を得ることで、安定的な収益を重ねることができる非常に有効なビジネスだ。その一方で顧客に向き合う人数と時間を必要とする人工型になってしまう。

プロダクト型

対してプロダクト型とは"自社が開発した製品・商品を必要とされる市場に提供する事"とここでは定義する。モノやサービスを中心として顧客の需要に応えていく方針を持ち、自発的なプロセスを回していく。プロダクト型でも製品の提供結果として顧客の課題を解決する(上記のソリューション)ことは可能なので、ソリューション型の定義の中にプロダクト型も含まれるという定義がより近いであろう。自身たちが作るプロダクトの定義や展開先の市場特定もプロアクティブな意思決定が可能であり、課題に対する時間のコントロールが可能。その一方で開発初期においては本当に市場を取れるかどうかの不安が常に残る。

決定的な違いはなにか

ソリューション型、プロダクト型の決定的な違いはなにか。それは顧客課題解決に対しての時間の使い方とキャッシュの発生である。どちらを会社の中心ビジネスとして採用するかによって対応する人の姿勢とスキル要件が大きくことなってくるので、会社全体としての顧客課題への向き合い方というものが自然と決定される。ソリューション型は役務ベースでのコミット成果に対する収益であり、プロダクト型は市場浸透に対しての収益となる。両方の型をビジネス目指す会社も多く、特にソリューション型で得られた具体的な知見をヒントに汎用化プロダクト型にシフトしていくやり方だ。ソリューション型の具体例を基に共通化して使える部分を抽象化した形で汎用型のテンプレートを開発し、ビジネスや業務の効率を目指すスタンスはソフトウェアの開発業務でもよく行う。会社内でビジネス変換を個別ソリューション型 => 汎用型プロダクト型に行う場合は全社にその戦略転換を伝達し共通理解と認識を持ち、採用要件が異なる中で集められたメンバーで役割を担う組織を作り、実行していく必要がある。

新しい環境で得た学び

イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)

イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)

2017年4月末から「Innovationで世界を変える」というビジョンを掲げる会社で、ゼロから物を作り顕在的な市場に当てはめることを楽しんでいる状況で、過去の環境では得られなかった 組織体制採用 について新しい学びがあり、それをメモとして記載します。

Managerという職位をあえて作らない

今の会社は50人程の規模でチーム数は8個程ですが、チーム組織長やプロダクト管理職などの所謂Managerを作らず、全員がフラットな関係で業務を担当していくという姿勢を保っています。チームメンバーに求める事として 全員が何でも自分で考え、自走する ことを行っており、個々のメンバーが重要なポイントであるチームOKRを忘れなければ、意外と成り立つ世界であることが分かります。前提としては、採用のハードルで誰も通らない程の経験や学力レベルでフィルタリングをしている事もありますが、タスクを与えられる事無く自分で考えて行動できる素養をそもそも身につけているメンバーが多くいる(可能性のある人を採用し、中で意識付ける)ということがうまく回っている要因で、このような環境の場合管理者は不要であると感じます。

私も過去には幾つものManager職を兼務しておりましたが、その職位に全く固執していなかったので、常に廃止しても良いと考えていました。Managerがいることによって個々のメンバーは自分の得意専門領域に注力しがちになり、事業や会社を見る視線が低くなってしまう。逆にManager側はメンバーの専門タスクをどううまくコントロールするかという、規模が小さなフェーズの会社にとって使うべきではない時間に追われるなど… 様々な問題があったように感じていました。

まとめると、今の環境は自分がもともと考えていた理想体制にすごく近い。人数が増えてきた時はまた新しい問題が見つかると思いますが、そこまでは今のまま走り続けるべきと思います。

海外からデータサイエンティストを採用する

私のチームは ビジネスを研究し、データサイエンスの価値を提供する ことを行い、機械学習の実務や最新研究への精通、クライアントのニーズを理解して解決方法を提案するコンサルティング能力、潜在顧客のリードから顕在顧客を導き出すマーケティング施策実行など、幅広い業務知識を必要とします。上でも書きましたが、それが故に採用ハードルが高く、人手を必要とするタイミングでも人が取れないという問題が長くあったようです。

採用のハードルを下げることはせず、そして日本のみの人材市場で上の能力を持つ人を探すのはもはや無理というのが会社の結論で、英語を利用した採用に枠を広げることによって、数少ない候補者をなんとか探そうというのが短期的な方針のようです。

私も何名か面接対応をさせていただきましたが、スーパーハイエンドな海外の人材でも日本で働くことに強い動機や意思があり、会社のビジョンや小規模フェーズの体制への理解があるような方からの注目は意外とあり、そういった方が積極的に入社をしてくれることは喜ばしいことです。

当然コミュニケーションが必然的に英語になるわけですが、細かい表現やちょっとしたニュアンス全て伝えきれているかという不安は常にあるので、英語での伝え方を勉強せねばという思いでおります。

最後に

上記以外にも数多くの気付きがありますが、また機会を見つけて書こうと思います。会社全体として自分より何でもできる人が多くいるというのは、知らない経験や世界を人から自身の体験として聞けることは環境として非常に恵まれていると感じますね。

Consumer Monopolyの基準

億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術

億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術

GWに部屋の掃除をしたら収納の奥から出てきた「バフェットの銘柄選択術」を十数年ぶりに読んでみた。以前は本の内容をConsumer Monoploy(消費者独占)の性質を企業に対する投資の視点として読み取っていたが、読み直してみると事業を作る企業としてもMonoplolyの対極にあるCommodity企業に染まらないようPositionを確立することが重要であるという内容として感じる。Commodity化された事業についてはMarketへの参入が競争という形であるため市場が存在することは明確であるが、激しい価格競争に打ち勝ち、他社製品との差別化のため圧倒する技術革新を起こす事が求められる。対してMonopoly事業では独占資本市場への参入であるため明確な市場定義は無く、独自ブランド(選択の余地が無い)を確立して企業の価値をZeroから作っていく必要がある。

話を本の内容に戻して、銘柄選択としてのMonopolyの基準としては下記のものがある。 1. 独自ブランド2.EPSの増加3.多額負債が無い4.ROE5.内部保留利益の再投資状況6.インフレを価格に転嫁可能 。独自ブランドについては上で書いた通りだが、EPS(Earnings Per Share)、ROE(Return On Equity)といったFundamentals分析も重要であるということ。Fundamentals分析の指標は四則演算で全て求められる単純なものだが、何を意味するかを理解するのが難しいのと指標が分からないまま書を読み進めるのも難しいのでMemoとして下に記載。(計算式を理解することで不足変数を脳内で算出することができる。)

ちなみにバフェットはFundamentals分析も利用した上でMonopoly企業を事前に見定め、そのStockが悪材料によって下がった時に買い妥当な水準に戻った時に売るという手法により成功している。投資の姿勢としてはリスクが高い逆張りをしているわけだが、本当は優秀かつ優良な企業に目を向けて支える投資家としては正しいあり方なんだろうなぁと思う。

  • 時価総額
  • EPS(Earnings Per Share) : 1株あたりの利益
  • BPS(Book-Value Per Share) : 1株あたりの純資産
    • BPS = 純資産 / 発行済み株式総数
  • PER(Price Earnings Ratio. P/E) : 株価収益率
    • PER = 株価 / EPS
  • PBR(Price Book-Value Ratio. P/B) : 株価純資産倍率
    • PBR = 株価 / BPS
  • ROE(Return On Equity) : 株主資本利益率

Team Geekを読んだ

Team Geek ―Googleのギークたちはいかにしてチームを作るのか

Team Geek ―Googleのギークたちはいかにしてチームを作るのか

GWを利用して積読の消化をを実践中。Googleギークたちはいかにしてチームを作るのかというサブタイトルが印象的な一冊。主にチームの文化形成やリーダー(マネージャー)としての在り方の部分を重点に自分なりに感じた言葉として纏める。

2章 素晴らしいチーム文化を作る

  • チーム文化 = エンジニアリングチームが共有する経験、価値、目標。
  • 優秀なエンジニアに働いてもらうためには優秀なエンジニアを採用しなければならない。優秀なエンジニアトップダウンのマネジメントではなく合意ベースのマネジメントを好み、意思決定に参加したいと思う。
  • 建設的な批判はチームの発展や成長には欠かせない。
  • MTGの数を減らして非同期コミュニケーションを増やすべき。
  • ミッションステートメントを作成し、注力すること、やらないことを明確化し、プロダクトの方向性の合意を得る。ただしプロダクトのピボットに合わせて修正可能なものとする。
  • MTGを行う際のルールを作る。
    • 絶対に必要な人だけを呼ぶ。新しいものを設計するMTGには5人以上呼んではいけない。
    • アジェンダMTG前に配布。
    • ゴールを達成したらそこで終了。
    • MTGを順調に進める。
    • お昼、終業の前に開始時間を設定する。
  • Face to FaceのMTGを過小評価してはいけない。
  • 全てのコードはコードレビューされるべき。品質を保つと同時に品質への誇りを持たせる。

3章 船にはキャプテンが必要

  • Googleではチームリーダーは二つの役割に分かれている。
    • TL(チームリード) : プロダクトの技術的なものに責任を持つ。
    • TLM(テクニカルリードマネージャ) : エンジニアのキャリアに責任を持つ。
  • 多くのエンジニアはマネージャーになりたくないと思う。
  • マネージャーになることは、自身をスケールさせたり、より多くのエンジニアと協力してより多くのコードを書くことができるし、もしくは自分がマネージャーに向いているかもしれない。
  • 必要以上のマネージは行わないこと。例:マイクロマネジメントなど
  • サーヴァントリーダーシップのようにエンジニアが働きやすい環境を整えるために、あらゆる障害を排除することも必要。
  • 採用においては自分の言いなりになる人ではなく、自分より優秀な人を採用すべき。自分より優秀な人は自分の変わりになってくれるだろうし、新しい刺激を与えてくれるかもしれない。
  • 1〜2人ほどのパフォーマンスが低い人がいるだけでチームはうまく回らなくなってしまう。そういった人をチームに残すことはその人のためにもならない。今の場所で成長させるか退席させるかを判断する。
  • パフォーマンスが低い人へのコーチングは2-3ヶ月で達成する目標を定めてあげる。小さい目標から入って小さい成功体験を何個か積み重ね、次第に目標を大きくしていく。
  • 採用を妥協してはいけない。イマイチな人を採用した結果、採用を妥協したことのコストより大きくなってしまう恐れがある。
  • チームメンバーの幸せを追い求める。また面談では必要なものを聞く。
  • チームメンバーにタスクを委譲するものと、自分で手を汚して対応する必要がある。リーダーになって間もない頃であればタスクをメンバーに渡してチームが学習する機会とする。しばらくリードした後であれば他の人がやらないような領域で自ら手を動かし尊敬を集める。
  • 事を荒立たせる必要がある時もあり、その場合は直ぐに着手する。自然解決を待ってはいけない。
  • 人を幸せで生産的にするのは外発的動機づけではなく、内発的動機づけであり、内発的動機づけには自律/熟達/目的の3つが必要。

The Data Management Platform: Foundation for Right-Time Customer Engagement [DMPに関する欧米の調査内容(2012.12)]

The Data Management Platform: Foundation for Right-Time Customer Engagement

調査資料
http://www.iab.net/media/file/Winterberry_Group_White_Paper-Data_Management_Platforms-November_2012.pdf
2012年12月にIABから出されたDMPに関する実態調査的な資料を見つけたので目を通してみた。※尚下記で引用される英文説明や図は全て上のリンクからの出典となる。

DMPの概要
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出典元の表現としては以下のように書かれている。

  • the data management platform (DMP), an emerging technology solution that supports “Big Data” implementation for advertisers, marketers, publishers and others looking to aggregate, integrate, manage and deploy disparate sources of data.

data management platform(DMP)は分断されたデータソースを集約/結合/管理/配布したい広告主、マーケータ、パブリッシャー、その他...の人たちのための"Big Data"の実装をサポートするテクノロジーソリューションとして用いられる。DMPとしては上図にあるように

  • AGGREGATE(DATA SOURCES)、INTEGRATE AND MANAGE(DMP APPLICATIONS)、DEPLOY(USE CASES)

の3パートに分かれており、データの収集、解析、利用という流れがある。AGGREGATEのフェーズにおいてデータソースとして中核となるのはFirst-Party(クライアントだけが持つデータ)、Thrid-Party(データ公開をしている外部クライアントが持つデータ)としてのデジタル化された行動履歴のデータであり、その他よく使われるものとしてはOfflineのデータ、商品の購買データ、新しいデータソースなどがある。収集したデータソースに対してデータの記録と保管/バラバラのフォーマットにならないようデータの正規化/必要なデータを選択、セグメント化/分析した結果を見て意思を決定する。その先に、デジタルデータの独立したフィードを集約or管理し、インターネットユーザーのより深い興味解析やOnline広告のターゲティングを強化し、mediaのセールス拡大のために行動するであろうインターネットユーザーのセグメントをリッチ化する。更にインターネットユーザーのデジタル体験を最適化するためにデジタルとデジタル以外のデータを集約してあらゆるチャネルをとおしてユーザーとコミュニケーションをする。

DMPはどんな活用に期待されているのか
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ビジネス的には期待されている内容としては上図の通りで

  • Improve Ad Targeting Effectiveness、Embrance Shift to Media Audience Buying、Aggregate Connected Customer Insights、Automate Digital Media Buying、Optimize Media Buying Efficiencies、Realize Potential of Cross-Channel Marketing... Connect Traditional and Digital Data in a Compliant Way

広告ターゲティング精度改善、メディアのAudienceDataの購入、接続された顧客の興味の集約、デジタルメディアの自動購入、メディアの効率な買い方の最適化、(CrossChannelMarketingの実現、デジタルと非デジタルデータの結合などがある。 一つの媒体に接触するAudienceの行動履歴は断片でしか無いので横断したCrossChanelMarketingの重要性、更にはAudienceの消費行動はリアルな世界がまだ中心なのでオンラインデータとオフラインデータの結合(020)への期待が伺える。

  • ADVERTISING、MARKETING、MEDIA SALES、COMMERCE

実際のところビジネスの領域としては広告、マーケティング、媒体収益、流通の4つで主に利用されている。DMPを活用すると手動でデータを管理するのと何が異なるのか?という内容に対しては

  • INTEGRATION、SCALE、SPEED、FLEXIBILITY、INSIGHT、ASSURANCE

結合、スケール、スピード、柔軟性、知見、保証とシステムとしてはやや当たり前の内容が書かれている。更にコアコンピタンスとしては以下の通り。

  • Integration of First-and-ThirdParty Data、 Segmentation、 Digital Data Aggregation、 Audience Analytics、 Digital Data Warehousing、 Data Transfer/ Export to Channels、 Modeling、Integration of Digital and Traditional Data

First,ThirdPartyのデータを結合、 セグメント化、 デジタルデータの集約、 オーディエンスの分析、 デジタルデータの保管、 データ変換やチャネルへの出力、 モデリング、デジタルと非デジタルのデータの結合。

DMPって簡単に言うと
以下の4つの項目として挙げられている。

  • A CENTRAL HUB FOR DATA COLLECTION, INTEGRATION AND MANAGEMENT:
  • A HYBRID OF PLATFORM TECHNOLOGY AND MANAGED-SERVICE SOLUTIONS—PROVIDING A RICH VIEW OF A GIVEN CUSTOMER AUDIENCE:
  • AN APPROACH TO “ACTIVATING” DATA RESOURCES THAT MIGHT OTHERWISE BE UNDERUTILIZED:
  • A TOOL FOR ENABLING RICHER ONLINE VISITOR EXPERIENCES—AND MORE TARGETABLE CUSTOMER SEGMENTS:

データ収集の中央ハブであり、結合と管理を行う。技術と管理されたサービスソリューションのハイブリッドプラットフォームである。オーディエンスの豊富なViewを提供。十分に活用されていないかもしれないデータリソースを活用するアプローチである。オンラインの訪問者の体験をより豊富にすることを可能にしたツールであり、顧客セグメントをよりターゲティング可能にする。

DMP構築の障害
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  • Internal Process & Marketing Ops Challenges、No Clear Internal Owner for DMP Solution、No Clarity Into Role of DMPs in the C-Suite、Lack of Established Performance Metrics、Lack of Clear Business Case/ROI Expectations、Privacy, Security & Data Governance Concerns、Cost Concerns、Lack of Addressable Data to Fuel DMP Use、Prefer to Wait for NextGeneration Technology

内部的な承認プロセスとマーケティング運用の意欲の問題、DMPソリューションの内部的な責任者が不明確、経営者の中にDMPの役割を担う人がいない、効果指標が不明確、ビジネスケースと費用対効果の欠如、プライバシーやセキュリティとデータの契約について心配、コストが心配、十分にDMPを活用するだけの割当可能なデータの欠如、次世代技術を待つことを好む。

所感
3年前の資料を振り返ったことになるが、現在もDMPの役割としての変化はほとんど無い。ただしPrivateDMPで始まった業界もPublicDMPとなるPlayerが登場してビジネスをスケールさせると同時にデータの集め方としてアンケートモニター会社との連携、使い方としてはLPOやCRMなどの領域にも力を発揮し始めている。テクノロジー的にはDMPに蓄積されたKEY(ID)の統合によるデバイスをまたいだ人物の特定、オーディエンスの興味関心解析、リアルタイム位置情報の分析とその先のレコメンド等の分野に期待があり、それらの技術を使って付加価値の有るデータを作り出せる事がPlayerとしての差別化で重要と認識している。

機械学習の種類と特徴

人間ではなく機械が自動的に意思決定することのメリットとして、大量のデータをInputとした予測、推定、分類などの処理をAlgorithmの構築によって瞬時に行える事である。 1枚の画像だけを見て何が写っているかのような判断においては人間の脳が優れているものの、大量のデータInputを基にした組み合わせの選択や最適解に瞬時に辿り着くという目的においては機械に任せてしまったほうが効率的とも言える。昔から機械学習による予測、推定、分類などの処理は様々な手法として提案されており、どういった問題を機械に判断させるかという切り口で最適なものを人が選択する。下記表に機械学習の種類と特徴を纏めてみた。※ただし必ずしも6種類のいずれかに分類される訳ではない。例としてニューラルネットワークがあり教師あり学習であり深層学習にも位置する。

機械学習の種類 特徴 代表的なAlgorithm 備考
教師あり学習 正解を持つデータを入力とし、特定の法則に従って予測データの出力を行うこと。
(例) 男女などの正解ラベルがあるデータを入力とし、ラベルが未知のデータに対して法則を適用し予測ラベル出力する。
SVM
NaiveBayes
回帰分析
教師あり学習 - Wikipedia
教師なし学習 正解ラベルなどが無く、データそのものを解析して特徴などを出す手法。
(例) データとして距離的に近いものを同一のクラスタとして定義する。
LDA
LSI
主成分分析
K-Means
教師なし学習 - Wikipedia
半教師あり学習 正解を持つデータの数は少ない場合、正解と未知のデータを合わせて学習することで効果を高める事ができる。
(例) 教師あり学習であるSVMを拡張して既知/未知データを合わせて学習する。
S3VMs(Semi-Supervised Support Vector Machines) 半教師あり学習 - 機械学習の「朱鷺の杜Wiki」
構造学習 個々のデータに対して推定を行わずに全体のデータ構造に最適な形として個々の推定を行う。
(例) 文書のカテゴリを判断する際に形態素に分解して品詞レベルで推定するのではなく全体で推定する。
CRF 双対分解による構造学習 | Preferred Research
強化学習 学習した結果に対して得た報酬によって更に学習を強くすることが出来る。
(例) A/Bテストを行って実績が高いものに自動的に最適化を寄せる
マルコフ決定過程
BanditAlgorithm
UCB
強化学習 - Wikipedia
深層学習 ニューラルネットワークを多層化した、様々なレベルのデータを学習することが出来る
(例) 画像の特徴量を自動抽出し、画像に描かれているものを自動判する
畳み込みニューラルネット
ディープボルツマンマシン
ディープラーニング - Wikipedia