Y's note

Web技術・プロダクトマネジメント・そして経営について

本ブログの更新を停止しており、今後は下記Noteに記載していきます。
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7万5千円で会社を作ったった【前編】

退職エントリー後

Yahoo!を退職します。 - Yuta.Kikuchiの日記 はてなブックマーク - Yahoo!を退職します。 - Yuta.Kikuchiの日記
同窓会連絡のノウハウをブログに書いたら2chでdisられた@yutakikuchi_です。
月日が経つのは早いもので「退職エントリー」たるものを昨年に書いてから7か月も経過してしまいました。Yahoo辞めてから何をやっていたのかというと、起業準備、事業プラン作成、システム開発のお手伝いやコンサルティング...等々の仕事でたくさんの人と出会い、今迄経験の無い内容もたくさん対応させていただきました。


まだココでも報告していなかったのですが2013年11月11日に起業しました。法人の種別は合同会社です。今のところ社員は僕だけです。当然起業に関する知識は0から始め、書類作成以外は全て自分で対応したのでそこそこ時間が掛かってしまいました。手続きの失敗等もいくつかあったので今日は手順や掛かった費用について経験談を書きたいと思います。

合同会社設立の理由

会社設立の理由は人それぞれだと思いますが、僕の場合はスマフォ新規ビジネスを一緒に造って行く仲間を集めたかったのと取引の場で法人化する必要があったというのが大きな要因です。以下個人事業主と会社を区別して話しますが、ロイヤリティを持って仕事に臨むには個人事業主を束ねた集団では難しく、会社という組織の中で共感できるビジョンを造って行く必要があると思います。外部と契約を交わす時も個人事業主という立場だと倒産した時等は無限責任となっているのでリスクが大きく契約にたどり着けないという話を良く聞きます。会社の場合は有限責任なのである程度のリスクを回避する事ができます。その他出資や融資は会社の方が受け易い、ある程度の年商ラインからは会社の方が節税で有利などの話もあるので色々と調べてみると良いと思います。


合同会社 - Wikipedia はてなブックマーク - 合同会社 - Wikipedia
なぜ合同会社なのかというと株式会社設立よりも安くできる、書類の手続きが少し楽、決算公告が不要という対株式会社のメリットを活かしたいと考えたためです。僕みたいな不安定な人はとにかくスモールスタートでいい。費用と手続きコストを抑えられるのはスタートアップ向きですよね。社員にロイヤリティを植え付けたいなら株式会社だろっていう意見も聞こえてきそうですが(確かに株式会社と比べると合同会社は認知度が低い)、シスコシステムズやAppleJapanも合同会社という体制でやっているんですよね〜。

設立には1か月と7万5千円を見積もっておくと良い

一日も早く起業したい人が「やっておくこと、知っておくべきこと」読了 - Yuta.Kikuchiの日記 はてなブックマーク - 一日も早く起業したい人が「やっておくこと、知っておくべきこと」読了 - Yuta.Kikuchiの日記
手順については上のエントリーの「会社設立のためのスケジュール」という項目通りになりますが、箇条書きだと「どの役所」で「細かい何をすれば良い」のかが分からないので再度纏め直します。


特にややこしかったのが印鑑の扱いです。印鑑は4種類必要と考えておくと良いと思います。1.代表者個人としての印鑑/印鑑証明書、2.会社代表としての印鑑、3.会社銀行印、4.会社認め印。このうち登記時に必要なのは個人としての印鑑証明書と会社代表としての印鑑の2点です。個人の印鑑登録および印鑑証明書の発行は市役所や一部の出張所でできます。会社の代表者印は法務局に登記する際にあれば大丈夫です。 当然と言えば当然の話なのですが、この印鑑の違いをしっかり理解しておいた方がいいです。僕は手続きの際に最初は自宅近くの出張所に行って個人の印鑑登録を受け付けて貰らえず(※出張所も証明書を発行するだけのところがあります)、案内に従って印鑑登録ができる出張所に行き案内のアルバイト?の人に「法人関係の印鑑の扱いは全て法務局になる」という指示を受けて法務局に行き、法務局では個人の印鑑登録は全て市役所へという案内を受けて... たらい回しにされた感じの役所巡りで半日以上を潰してしまいました。2回目の出張所での僕の説明と案内の人の受け答えが食い違っている事に気づけば良かったんですが、そこまで知識が無かったので残念な結果になってしまいました。


注意したい点としては定款を紙でなく電子でやると4万円安くなります。僕は電子定款作成を行政書士の方にお願いをしてやっていただきました。法務局に登記する書類フォーマットは以下のURLにありますが、ありすぎて訳が分からないので書類作成の代行サービスを利用しました。法務省:商業・法人登記申請 はてなブックマーク - 法務省:商業・法人登記申請


その他として資本金は自分で決めた額を自分の個人口座に振込をして通帳の表紙と1枚目と入金があるページの3枚のコピーを取れば大丈夫です。順番としては定款書類を作成した後に振込をします。コピーは法務局に登記する際に必要になります。あまり知られていない事で資本金は一時的な入金証明であり、登記が完了したら自由に出し入れしても良いようです。どうでも良い事ですが会社の設立日は登記申請した日になります。書類がミスしてやり直しになっても最初の申請した日が設立日になります。(僕は電子定款ファイルが壊れていて後日やり直しになりました。)大安や1の付く日を狙って申請する人が多いと法務局の担当の人から聞きました。印鑑は良い物だと高価なのでこだわりがある人は色々と調べてみると良いです。僕は3本で8000円のものにしました。

やる事 必須 手続き場所 必要経費
会社概要の検討/決定 無し 無し
会社実印の作成 はんこ屋さん 3本セットで8000円
人印鑑登録 市区役所 300円だったような...
人印鑑証明書の取得 市区役所 300円
登記書類作成システム利用料 × サービス会社 2100円
電子定款作成依頼 × 行政書士 3000円
資本金の払込 銀行 資本額
資本金の通帳コピー 無し 30円
登記書類の作成/押印 無し 無し
登記書類の提出 市区の法務局 6万円(印紙代)
人印鑑カード取得 市区の法務局 無し
履歴事項全部証明 × 市区の法務局 一部600円

だいたい僕が登記にやった手続きは上の通りです。知識0からのスタートと仕事を請け負いながらの作業でしたが、勉強期間に2週間、手続き書類の準備と申請に2週間ぐらいの計1か月で登記できました。掛かった経費は交通費を含めて大体75000円です。自治体によって手数料は若干異なるようなので上の必要経費は目安としてお考えください。(印紙代の6万は変わらないと思います。)手続きは非常に面倒なので時間がもったいないと思う方は設立代行を依頼すると良いでしょう。登記後にも税務署への届け出、会社の銀行口座作成などの手続きが必要です。税務署への届け出や銀行口座作成についての知識はまた別で書きたいと思います。以上、合同会社の設立を考えている人の参考になればと思い記載させていただきました。