Y's note

Web技術・プロダクトマネジメント・そして経営について

本ブログの更新を停止しており、今後は下記Noteに記載していきます。
https://note.com/yutakikuchi/

そこに張る勇気

@yutakikuchi_です。 未来を正しく予測すること、どんなに優秀な人物が未来を考えても非常に難しいという事実がある。数多くの発明家や起業家が自分が描く未来へ投資を行い、失敗し続けてきた歴史もある。「未来は予期せぬところからやってくる」Y Comibinatorの設立者でもあるポール・グレアムも未来を予測することの難しさから、未来へのアイディアではなく考える人に注目すべきという話もある。

正しく予測できなかったとしても、現在〜未来を目指す中で「失敗の確率を減らすこと」は可能である。一見ダメそうなアイディアでも、隠れた良いアイディアを見つけることがスタートアップでは重要な要素とされているが、隠れた良いアイディアを実現する際に、検証というプロセスを入れることである程度のリスクを回避することができる。検証は最大の効果としては、その領域に携わる人間に対してアイディアを投げかけてみたり、課題となる一次情報を集めることで、自分のアイディアに対して客観的な感覚を注入することである。

検証されたアイディアに対して実施すべきかどうかの判断に必要なもの、それは経営者としてそこに張る勇気である。小さな市場にまずは目を向けて、そこの独占的なプレイヤーとなること。それを基に次は大きな市場を狙う。小さく成功を作って、大きく展開する。仮にそこで失敗、やり方を変えるためにピボットしても、バッターボックスに立ち続けてバットを振り続ければ、おそらく立ち直れる。そこに張る勇気。これが本当に重要。

RPAとAIの違い

RPAとAI

@yutakikuchi_です。 - RPA = Robotic Process Automation - AI = Artificial Intelligence

これらの違いは? なるほど、言葉の定義だけでは違いが分からん。

RPAとは狭義の意味では、ルールベースをロジックとした人間の作業を簡易化・もしくは自動化する仕組みで、Webツールなどで提供される。狭義の中では人間の作業が全てルールに落として、それをシステムの機能で再現させることである。RPAの定義では人の簡易的な脳を機械にコピーをしていくため、機械が自ら学ぶような世界観は含まれない。RPAを広義に捉えると簡易的なAIも含めて人間の作業をルール化していく仕組みを示すが、AIとの境界面が明確化されないので、ここでは狭義のRPAについて記載している。狭義のRAPにおいては金融系会社などで人の作業を代わりに対応させる実施、例えば伝票への自動入力等が多く進んでいる。

AIは、過去のデータを利用した様々な判断をするための予測をする仕組みを提供する。人間が予測のロジックを事前に提供することで、データからの読み取れる判断ポイントや特徴については機械が解釈をする。例えば写真の中にどのような物体が写っているかを自動的に判別する場合、RPAのように人間が物体を見たときの判断ポイントの全てをルールとして機械に与えるのではなく、それらを機械が自動的に判断するために過去のデータから解釈をしてく。

簡単なまとめ

  • RPA(Robotic Process Automation) : 人間の作業を機械が解釈可能なルールに落とし、ルールに基づいた作業を機械が自動化するような取り組み。
  • AI(Artificial Intelligence) : 人によってルール化されないポイントも機械が自動的に解釈し、自動的に物事を判断や予測するための仕組み。

参考URL

www.itmedia.co.jp thefinance.jp https://winactor.com/column/819/winactor.com

見えない人工知能を売ることの難しさ

結果が見えない人工知能

@yutakikuchi_です。人工知能をCustomerに販売することは難しいとされる。その要因は何か。

一番のポイントはCustomerへの販売を担当するSales担当者も人工知能を開発することにより、Customerの課題が解決できるかが受注のタイミングでは分からないということである。結果が見えないというのは受注のタイミングの話である。

Machine Learning・DeepLearningのどちらの手法を基にしたとしても、Customerの課題に対してデータを集め、人工知能のモデルを作り、その後に評価を行う。このプロセスを踏まえないと、そもそもCustomerが求めるKPIに対して成功・失敗するということが分かりにくい点である。

経験を持った技術者であれば先行研究の内容から特定の課題に対して、どういったデータ量と質、更にはMachine Learning・Deeplearningの手法を採用、モデルのチューニングをすると予測精度◯◯%ぐらいは出るかも、というざっくりした見積もりは可能である。ただし、この経験を持った技術者が人工知能を提供する側にはいたとしても、Customerの中に存在するとは限らない。むしろ存在する可能性は低い。提供側が精度◯◯%出ますのでご安心をという説明が出来たとしても、Customer側は何故そのような結果になるか、という点が理解しづらいはずである。

対して、一般的なWebシステムを開発する場合は、Inputのデータを与えてApplicationのlayerで演算をし、DBに格納・結果の可視化しOutputする一連の流れは、このシステムの業務手続きのフローを明確化したり、結果の出力サンプルをSales担当でもおそらく作成はできるであろうし、そしてこれらの内容を受注の前にイメージの共有がCustomerにでき、おそらく理解も可能なはずである。人工知能のように上記評価プロセスを実施しなくても、結果までがある程度見えてしまうという点が大きい。

最近は人工知能の評価プロセスを回す前、具体的には受注の前のタイミングで簡易的に評価プロセスを回すツールなども多く出てきている。今後これらのニーズは高まっていくであろうが、下記にまとめるように売ることを難しくしている要因全てを解消できるわけではないので、これらは業界の課題としてまだ残り続ける。

難しい要因のまとめ

  • 売ることが難しい要因① : Sales担当者が受注の前にどれほど顧客課題を解決できるかの見積もりが難しい。
  • 売ることが難しい要因② : データを集めて、モデルを構築し、その後に評価を行うプロセスを入れないとプロジェクトの成功・失敗が正確に分からない。
  • 売ることが難しい要因③ : 一般的なシステムと異なり、InputとOutputまでの業務ロジック、更には演算(途中結果を含む)の可視化が難しい。
  • 売ることが難しい要因④ : 人工知能が得意とする、もしくは課題解決可能なものは日々広がりを見せているが、まだまだ人間の能力を大きく超えることが出来ていない。それをCustomerの期待値に合わせて説明するということも難しい。

売る側の人間からのレポートは以上です。

何を問題とし、どのように解くか

@yutakikuchi_です。ビジネスの立場の違う人間同士だと、向き合っている問題が世界情勢、市場、顧客課題詳細など自分が一番解くべき問題についてはレイヤーが異なることが多い。それが故に一緒に問題解決の話をしていても、プロトコルが合わずに、意見の食い違いが発生する。

巷には問題の定義より、課題に対するHowtoのノウハウが溜まっており、方法論ってそんなに重要なんだっけという思いが増してくる。それらにはなぜその問題を解こうとしたのかが書かれていないからだ。重要なのは「何を問題とするか」、その次にどのように解くかの流れである。立場の違う人通しでも、問題の定義がレイヤーごとに明確化され、なぜその問を選定したのかの背景が伝わるだけでも価値があり、そのステップが事前にあれば立場の違う人同士の中でも、意見の食い違いは緩和されるであろう。

ソリューション型とプロダクト型

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経営者が考えるビジネスのロジック

@yutakikuchi_です。会社の経営は一言で言ってしまえばビジネス(営利・非営利の事業)を作ることであり、そのために人・モノ・金を動かす権限を持つ。ビジネスには様々なモデルが存在し、どのようなエコシステムを目指すかはその会社の経営者が自身で判断しなければならない。最近良く話す内容としては会社経営も成功ロジックを書くことであり、システムエンジニアが処理手続きを書く事と非常に似ている。成功までの最短となるプロセスをロジックを積んだ言語によって書き起こしているだけである。

ソリューション型

成功ロジックの中身をどう書くか。経営でよく上がる話として、ソリューション型、プロダクト型のどちらのビジネスを目指すべきかという点。または両社を目指す場合のコミット度合いの配分をどのように線を引くか。ソリューションは"顧客の課題を解決すること"であり、コンサル、SIなどはここでは含まれる。顧客のビジネスの深い業務知識を保有し、そこに対して他の誰も届けることが出来ない課題解決のコミットメントが継続できるのであれば、顧客の成功体験サポートをし満足度を得ることで、安定的な収益を重ねることができる非常に有効なビジネスだ。その一方で顧客に向き合う人数と時間を必要とする人工型になってしまう。

プロダクト型

対してプロダクト型とは"自社が開発した製品・商品を必要とされる市場に提供する事"とここでは定義する。モノやサービスを中心として顧客の需要に応えていく方針を持ち、自発的なプロセスを回していく。プロダクト型でも製品の提供結果として顧客の課題を解決する(上記のソリューション)ことは可能なので、ソリューション型の定義の中にプロダクト型も含まれるという定義がより近いであろう。自身たちが作るプロダクトの定義や展開先の市場特定もプロアクティブな意思決定が可能であり、課題に対する時間のコントロールが可能。その一方で開発初期においては本当に市場を取れるかどうかの不安が常に残る。

決定的な違いはなにか

ソリューション型、プロダクト型の決定的な違いはなにか。それは顧客課題解決に対しての時間の使い方とキャッシュの発生である。どちらを会社の中心ビジネスとして採用するかによって対応する人の姿勢とスキル要件が大きくことなってくるので、会社全体としての顧客課題への向き合い方というものが自然と決定される。ソリューション型は役務ベースでのコミット成果に対する収益であり、プロダクト型は市場浸透に対しての収益となる。両方の型をビジネス目指す会社も多く、特にソリューション型で得られた具体的な知見をヒントに汎用化プロダクト型にシフトしていくやり方だ。ソリューション型の具体例を基に共通化して使える部分を抽象化した形で汎用型のテンプレートを開発し、ビジネスや業務の効率を目指すスタンスはソフトウェアの開発業務でもよく行う。会社内でビジネス変換を個別ソリューション型 => 汎用型プロダクト型に行う場合は全社にその戦略転換を伝達し共通理解と認識を持ち、採用要件が異なる中で集められたメンバーで役割を担う組織を作り、実行していく必要がある。

久しぶりの投稿

1年以上日記を書くことをサボっていました。日記を再開し、これからは仕事やプライベートで感じたこと、調査したこと、考えたことの整理として投稿を再開していきます。最近はメタ思考を意識しながら生きています。できる限り早く成長したいです。

新しい環境で得た学び

イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)

イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)

2017年4月末から「Innovationで世界を変える」というビジョンを掲げる会社で、ゼロから物を作り顕在的な市場に当てはめることを楽しんでいる状況で、過去の環境では得られなかった 組織体制採用 について新しい学びがあり、それをメモとして記載します。

Managerという職位をあえて作らない

今の会社は50人程の規模でチーム数は8個程ですが、チーム組織長やプロダクト管理職などの所謂Managerを作らず、全員がフラットな関係で業務を担当していくという姿勢を保っています。チームメンバーに求める事として 全員が何でも自分で考え、自走する ことを行っており、個々のメンバーが重要なポイントであるチームOKRを忘れなければ、意外と成り立つ世界であることが分かります。前提としては、採用のハードルで誰も通らない程の経験や学力レベルでフィルタリングをしている事もありますが、タスクを与えられる事無く自分で考えて行動できる素養をそもそも身につけているメンバーが多くいる(可能性のある人を採用し、中で意識付ける)ということがうまく回っている要因で、このような環境の場合管理者は不要であると感じます。

私も過去には幾つものManager職を兼務しておりましたが、その職位に全く固執していなかったので、常に廃止しても良いと考えていました。Managerがいることによって個々のメンバーは自分の得意専門領域に注力しがちになり、事業や会社を見る視線が低くなってしまう。逆にManager側はメンバーの専門タスクをどううまくコントロールするかという、規模が小さなフェーズの会社にとって使うべきではない時間に追われるなど… 様々な問題があったように感じていました。

まとめると、今の環境は自分がもともと考えていた理想体制にすごく近い。人数が増えてきた時はまた新しい問題が見つかると思いますが、そこまでは今のまま走り続けるべきと思います。

海外からデータサイエンティストを採用する

私のチームは ビジネスを研究し、データサイエンスの価値を提供する ことを行い、機械学習の実務や最新研究への精通、クライアントのニーズを理解して解決方法を提案するコンサルティング能力、潜在顧客のリードから顕在顧客を導き出すマーケティング施策実行など、幅広い業務知識を必要とします。上でも書きましたが、それが故に採用ハードルが高く、人手を必要とするタイミングでも人が取れないという問題が長くあったようです。

採用のハードルを下げることはせず、そして日本のみの人材市場で上の能力を持つ人を探すのはもはや無理というのが会社の結論で、英語を利用した採用に枠を広げることによって、数少ない候補者をなんとか探そうというのが短期的な方針のようです。

私も何名か面接対応をさせていただきましたが、スーパーハイエンドな海外の人材でも日本で働くことに強い動機や意思があり、会社のビジョンや小規模フェーズの体制への理解があるような方からの注目は意外とあり、そういった方が積極的に入社をしてくれることは喜ばしいことです。

当然コミュニケーションが必然的に英語になるわけですが、細かい表現やちょっとしたニュアンス全て伝えきれているかという不安は常にあるので、英語での伝え方を勉強せねばという思いでおります。

最後に

上記以外にも数多くの気付きがありますが、また機会を見つけて書こうと思います。会社全体として自分より何でもできる人が多くいるというのは、知らない経験や世界を人から自身の体験として聞けることは環境として非常に恵まれていると感じますね。